研究集会「Geometry of Riemann surfaces and related topics」
研究集会「Geometry of Riemann surfaces and related topics」を以下のように行います。
- 日時:10月19日(金)午後1時30分〜20日(土)午後5時30分
- 場所:金沢大学サテライト・プラザ
- 講演者:納谷 信(名古屋大)、糸 健太郎(名古屋大)、中村 豪(愛知工業大)、片方 江(一関高専)、
濱野 佐知子(大阪市立大)、藤井 道彦(琉球大)、松崎 克彦(早稲田大)、中西 敏浩(島根大)
- スケジュール
- 10月19日(金)
- 13:30--14:30:
納谷:Bolza曲面上の三つの計量
- 15:00--16:00:
糸:3次元反ド・ジッター空間の一般化としてのSL(2,C)
- 16:30--17:30:
中村:閉リーマン面の最大単射半径を与える関数
- 10月20日(土)
- 9:30--10:30:
片方:無限個の2次擬多項式写像を含む超越整関数の構成
- 11:00--12:00:
濱野: 流体力学的微分の変分公式とその応用について
- 13:30--14:30:
藤井:How a geodesic representative of an element of the braid group is obtained.
- 15:00--16:00:
松崎:Klein 群の Myrberg limit set の Hausdorff 次元について
- 16:30--17:30:
中西:種数2の閉曲面のタイヒミュラー空間の諸相
- 18:00--:
懇親会
- 集合写真
懇親会への出席受付はこちら(締め切り10月4日)
講演タイトルとアブストラクト
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納谷 信(名古屋大)「Bolza曲面上の三つの計量」
Bolza曲面は種数2のリーマン面全体の中で自己同型群の位数が最大の
リーマン面として知られている。種数2なのでもちろん双曲計量を許容するが、これ以外にも
リーマン面の構造と両立する計量として、有限個の錐状特異点をもつ平坦計量および球面的計量
(ガウス曲率1)が知られている。そして、それぞれ種数2の閉曲面上でリーマン計量を
(面積一定の範囲で)動かして、systoleおよび\lambda_1(ラプラシアンの第1固有値)を
最大化する問題と密接に関係している。講演ではこれらの計量を明示的に記述し、対応する
問題との関係を紹介する。
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糸 健太郎(名古屋大)「3次元反ド・ジッター空間の一般化としてのSL(2,C)」
3次元反ド・ジッター空間は負の定曲率を持つローレンツ多様体であり,
SL(2,R)をモデルにもつ.この空間はS^1の自己同相写像を
H^2の自己同相写像やearthquake mapに拡張する際に利用できることから,
近年,双曲幾何の立場からも注目されている.
ここではSL(2,R)の幾何の一般化としてSL(2,C)の幾何を考えて見たい.
まずSL(2,C)の幾何の基本的な性質(等長変換群,全測地的部分多様体,理想境界など)
を述べた後,SL(2,R)の理論のアナロジーについて考えていることをお話ししたい.
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中村 豪(愛知工業大)「閉リーマン面の最大単射半径を与える関数」
与えられた閉リーマン面に対して、その各点には単射半径が定まる。これらの単射半径の最大値をその閉リーマン面の最大単射半径という。
固定した種数の閉リーマン面にその最大単射半径を対応させる関数について考察する。特に, 種数2の場合についてタイヒミュラー空間上で構成することを試みる。
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片方 江(一関高専)「無限個の2次擬多項式写像を含む超越整関数の構成」
与えられた無限個の2次多項式対して,それらのジュリア集合のコピーを含むジュリア集合を持つ超越整関数,
言い換えると無限個の2次擬多項式写像を含む超越整関数の構成方法を紹介する。
また,構成した超越整関数のファトウ集合や位数についても考察する。
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濱野 佐知子(大阪市立大)「 流体力学的微分の変分公式とその応用について」
複素パラメータをもつ種数有限の有限型開リーマン面上の流体力学的微分を考察し、その2階変分公式を確立する。
その変分公式を用いた応用として、開リーマン面の変形が2次元スタイン多様体である場合について得られたある種の剛性定理などを紹介したい。
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藤井 道彦(琉球大学)「How a geodesic representative of an element of the braid group is obtained.」
We give a usual projection of braid onto the two dimensional Euclidean space.
Then in this talk, we consider the problem of whether we can construct an algorithm to find a minimal crossing braid or not.
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松崎 克彦(早稲田大)「Klein 群の Myrberg limit set の Hausdorff 次元について」
Klein 群の conical limit set の Hausdorff 次元が収束指数と一致することは有名な結果として
よく知られているが,測地流のエルーゴード性を弱い意味で定性的に体現する
Myrberg limit set については,等角不変測度に関する zero-one 則は conical limit set と同様であるが,
Hausdorff 次元については問題として残っている.この講演では,上記を含めて,
conical limit set とその部分集合である Myrberg limit set の差異についての結果を報告する.
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中西 敏浩(島根大)「種数2の閉曲面のタイヒミュラー空間の諸相」
種数2の閉曲面のタイヒミュラー空間とその上に作用する写像類群に関するいくつかの話題
―種数2の閉曲面のタイヒミュラー空間とその部分空間としてのオービフォールドのタイヒミュラー空間との関係,
写像類群の有理変換群への表現とその応用など―
を紹介する。
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世話人:牛島 顕(金沢大学)、北野 晃朗(創価大学)、小森 洋平(早稲田大学)、宮地 秀樹(金沢大学)
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本研究集会は、日本学術振興会科学研究費補助金
基盤研究(C)「平坦構造によるタイヒミュラー・モジュラー群の研究」
研究課題番号26400151
代表: 小森洋平 (早稲田大学)
の補助により開催されます。
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